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日本発の中東メディア

2021年5月14日。

イスラエル軍のパレスチナ・ガザ地区への空爆による死者数が100人を超え、「最も深刻な状況」と国際社会の注目度も高まり始めていた。恥ずかしながら、空爆で本件がただごとではないとようやく認識を新たにしたのがこの時だった。 日本語での情報が少ないことに危機感を持ち、Twitterとインスタを手始めとして、情報発信を開始した。

自分がなぜここまで中東に関心が高いのかは、正直分からない。
香港在住時に、モスクを見てひどく興味を惹かれたことだけは覚えている。白く聳え立つ線対称の何か。入り口には無造作に転がるサンダル。よく喋る人たちの波に飲まれるようにして中に入ると、そこには緻密な模様の広がる高い天井と、絨毯に囲まれた異世界が広がった。それからも、トルコランプの露天の前で、買うお金がある訳もないのに立ち止まって惚れ惚れしたり、進んで中東料理を食べたりと、文化面で「チュートー」に魅了される機会は何かと多かった。

そんな表面上をなぞるだけであった国際交流だが、まだ世界を知らない私は感化され、これこそが天職と安直に国連職員になることを目標とし、国連で働くなら難民問題とこれまた極めて短絡的な動機から、シリアの難民問題の解決に興味があります、などと言ってみたりした。そんな訳で「チュートー」への関心は確かに年々人より高くなっていったかもしれない。それでも、特に日本へ戻ってからはニュースでたまに見るだけで、教科書や日常生活にほとんど登場しない中東には所詮石油王と砂漠のイメージしかなく、身近になんて感じている訳がなかった。

そんな「チュートー」が自分にとって身近になったのは、留学して中東地域出身の友人ができたことが大きい。会話の中で中東地域の話題を取り上げることや、中東のお菓子をもらうことが普通のこととして日常生活の中へ取り込まれていった。「ニュースを見るとその人の顔が浮かぶようになる」とは留学経験者の間でよく言われることかもしれないが、中東で起こる出来事は確かに他人事ではなくなっていった。

この時自分は、中東について学びを深めるきっかけをもらったのだと思う。人によっては音楽やスポーツかもしれないこのきっかけというものによって、自分はたまたま中東への興味関心を高め、大学では中東地域を専門に勉強することになる。それと同時に、日本における中東へのバイアスや、そもそもの無関心といったことが気になり始めた。イスラム教は怖い?そんなあ。

だからと言って、日本で普通に生活を送っていれば中東なんて馴染みがないのが当たり前である。中東地域出身の友人と巡り逢うなんて、自分はとても恵まれていたのだ。では、中東と知り合うきっかけがあった自分に何ができるかと言えば、他の人も中東と出会えるようなきっかけを作ることなのかもしれない。そして、光栄にももっと知りたいと思ってくれる人が出てきてくれた時のために、適切で分かりやすい情報にアクセスできるようにしたい。そんな想いでMENAウォッチを運営している。


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